江戸東京博物館の「古代エジプト展 天地創造の神話」を感動して2回も見てきてしまいました

東京、両国にある江戸東京博物館で開催中の「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」を見てきました。それも2回も。

なんで、江戸東京博物館で「古代エジプト展」?

小池都知事がカイロ大学だから?

という疑問は最後まで解決しませんでしたが、「古代エジプト展」じたいは予想外におもしろいものでした。

というか、いままで見た江戸東京博物館の特別展の中でも最高の展示会でした。

感動して、2回も見に行ってしまいました。

最初に見に行ったのは2020年の12月4日。

そして12月の末にも、もう一度見に行ってしまいました。

展示は、2021年4月4日までですから、もう一度、見に行くかもしれません。

簡単に個人ブログらしい感想などを書いてみたいと思います。

国立ベルリン・エジプト博物館所蔵のレプリカではないオリジナルが展示

ドイツの国立ベルリン・エジプト博物館所有のレプリカではないオリジナルが展示されています。どれもこれもが、きれいなものばかりでレプリカかと思いましたが、全部本物だそうです。

混雑具合は、12月末の方が人は多かったですが、そこそこ人がいる程度で、どの展示も苦労なく見ることができる人混みで、気になることはありませんでした。

江戸東京博物館の展示スペースは、東京都現代美術館のように歩いて上下に移動するなど展示スペースじたいに構造的な特徴がないので、展示デザインが難しいと思われますが、さまざまな工夫で古代エジプトっぽい空間をみごとに演出しています。

この展示装飾が美しい。(これは最近のもの)

 

ほとんどの展示物が「撮影OK」なことも嬉しいです。

 

展示は、第1章「天地創造と神々の世界」、第2章「ファラオと宇宙の秩序」、第3章「死後の審判」の3つの章に分けられており、それぞれ2分間程度のアヌビスが案内するアニメーション動画でわかりやすく解説してくれます。(アニメは撮影禁止)

 

会場に入ると、まず「腹ばいになる山犬の姿をしたアヌビス神像」が迎えてくれます。

アヌビスはミイラづくりの神ですね。

これは古代エジプトにおいて、墓場の周囲を徘徊する犬またはジャッカルが死者を守ってくれていると考えられたからです。

ナイルの神の像とセクメト女神座像のスペースは、見せ場のひとつです。

ナイルの神の像(上半部)、後ろはライオンの頭を持つセクメト女神座像

セクメトは、エジプト神話に登場する女神。プタハの妻であり子供は、ネフェルトゥム。

ラーの片目から生まれ、ライオンの頭を持つ。頭頂に赤い円盤を載せており真昼の太陽の灼熱を表現している。破壊神にして復讐者であり、王の守護神とされる。

 

ネコのバステト女神座像は人気です。

 

古代エジプト人は、野生のネコを最初に家畜化したといわれ、ネコが好きでネコをよく飼っていました。ネコのミイラも大量にあるそうです。

バステト像もいろいろ残されています。

 

ハトシェプスト女王のスフィンクス像(胸像)

 

王の書記サアセトの人型棺蓋

 

タバケントエンタアシュケトのカノポス容器

ミイラ化する際に、取り除いた内臓を納める容器です。

 

タイレトカプという名の女性の人型棺・内棺

 

デモティックの銘文のあるパレメチュシグのミイラ・マスク

 

人間の頭のついたハートスカラベ

古代エジプト人は、スカラベ(ふんころがし)がどんだけ好きだったの? と思いました。

 

創世神話と死後の世界

この部分は『ゼロからわかるエジプト神話 (文庫ぎんが堂) Kindle版』を参考にしました。

創世神話

創世神話では、まずヌンと呼ばれる広大な混沌とした海があり、その世界は天も地も存在しない。その海の中、創造神アトゥム(ラー)が自分の意志で誕生。自分の場所、原初の丘をつくった創造神は大気の神シューと湿気の女神テフヌトを誕生させ、二人は最初の夫婦になった。シューとテフヌトは大地の神ゲブと、天の女神ヌトを生み、二人は夫婦になった。しかし仲がよすぎて片時も離れないため、父である大気の神シューは嫉妬し無理やりゲブとヌトを地と天に引き離した。その間に大気が存在するこの世界が作られたという。この時すでに天の女神ヌトは身ごもっていてその後、オシリス、イシス、セト、ネフティスという神々が誕生し、古代エジプトの基礎が作られた。

死後の世界

古代エジプトでは人が死ぬと、その身体をミイラとして保存することが重要だった。まず心臓以外の臓器や脳を取り除き、樹脂を染み込ませた布を丁寧に巻いていく。体内に残された心臓の上には、スカラベを模した護符ハートスカラベが置かれた。ミイラが出来上がると棺の中に死者の書が収められた。そして葬儀が行われ、死者は鳥に似た姿に変身し冥界の入り口に飛んでいく。

死後、すべての人間は死者の審判を受けるために「2つの心理の間」に通される。そこには裁判を執行する42の神と、裁判長である冥界の王オシリスがいる。死者はここで自らの生前の行動について「否定の告白」を行う。神々の前で生前、悪いことをしていないと告白するのだ。私は罪を犯したことはありません。私は盗みをはたらいたことはありません。私は嘘をついたことはありません。このとき、心臓に置かれたスカラベにより、死者は自分に都合の悪いことは一切話さない。そして死者は42神の見守る中、自分の心臓の重さを計量される。天秤は「真実の羽」といわれるアマトの羽と釣り合わなければ、幻獣アメミトに心臓を食べられてしまい、死者は楽園どころか二度とうまれかわることができなくなってしまう。しかし死者の書のおかげで天秤が傾くことはない。

こうして無事、清廉潔白であることが証明された死者は、冥界の神オシリスにより来生の復活を許可される。死後の楽園に行くことができる。こうして死後の楽園にたどり着いた死者は、ナイル川が流れナツメヤシが生い茂るエジプトの地そのもののような楽園で死後、永遠に幸福の日々を過ごせる。

『ゼロからわかるエジプト神話 (文庫ぎんが堂) Kindle版』は、読み放題のkindle unlimitedに入会していれば、無料で読めます。

私は、無料で読みました。

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