今回は『笑ってこらえて』『世界不思議発見』『金スマ』『世界の果てまでイッテQ!』『情報7days』『秘密のケンミンSHOW』などでよく声を聞く、青二プロダクション所属の売れっ子ナレーター真地勇志さんが2016年に書かれた話し方の本をおすすめします。
本文190ページですから、すぐに読めてしまいます。そのためそれぞれの項目が深堀りされておらず、情報量的に少し物足りなさが残るという感想を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、プロによる人を惹きつける「上手に話すコツ」がたくさん羅列されています。
日本人は話し方を学習する機会がない
「日本人は、子供の頃から協調性を大切にするように教えられてきたこともあり、人前で話すことを苦手としている人が多い」と真地さんは書かれています。
これは的を射た指摘でしょう。
「話し方や伝え方を学習する機会がなかった」からだと真地さんは分析します。
まず、話すことが苦手だという方は、「話し方は自分で作るもの」だということを意識して下さい。(p.13)
そうなんですよね。
「話し方は自分で作るもの」なんです。
自分で工夫すれば、話し方、伝え方はどんどん上達するはずです。
声優で稼ぐためのトレーニング
【授業紹介】
年明けの特別講義3連発!最後を飾るのは、その声を聞かない日は無いと言っても過言ではない、トップナレーター真地勇志先生です!!
現場で求められるポイントをわかりやすく指導。さらに情感の伝え方や自分の世界観を持つことの重要さをお話しいただきました。#青二塾 pic.twitter.com/2llWtKGngF— 青二塾東京校【公式】 (@aonijuku_tokyo) February 3, 2020
『「稼ぐ!」話し方』というタイトルの意味は、声優で稼ぐためのトレーニングという意味です。
以下略ちゃんは、日常生活や仕事で年収をあげるための話し方を想像して読み始めたので最初は違和感がありましたが、声優やナレーターを目指す方、向けの本と理解した後はそこから得られるものは少なくはなかったです。
真地さんは実際に大阪芸術大学や養成所でプロ志望の方を教えていらっしゃるようで、「芥川龍之介でイメージトレーニング」や、「絵本でイメージトレーニング」(第3章)など、授業でイメージを膨らませる練習に使用されている内容も紹介されています。
『世界の果てまでイッテQ!』のオンエア原稿を使ってステップアップ!(p.174~)では、実際にテレビでオンエアされたナレーション原稿を使って、真地さんがどのように感情を入れて読んでいるかが解説されています。
「ナレーションも芝居だ」
「伝わる話し方」とは何かが具体的にわかるように書かれています。
この本を読んで、個人的に参考になったことは、
- 風邪をひかないための正しい「うがい」方法。
- 横書きの原稿よりも縦書きの原稿の方が読み上げしやすい。
- 噛まないためには、行をまたぐ文章は句読点でないところで切れないように、原稿の行の下の余白に書き移す。
- 読みにくいカタカナはひらがなを横に書き込む。
- 「30秒で自己PR」
などです。
経歴、趣味、特技、自慢できることなどを30秒でまとめるという「30秒で自己PR」は、面接や自己紹介で応用が効くので、ぜひ挑戦してみたい練習です。
声優志望ではありませんが、役に立つことは複数ありました。
柴田秀勝さん、杉山佳寿子さんのコラム。
同じ青二プロダクション所属の声優の沢城みゆきさんや山﨑岳彦さんとの、ナレーターについての対談も掲載されています。
「声で稼ぎたい」という人は、もう一度この本で、話し方や伝え方を学習する機会を再確認してみるのもいいでしょうね。