コオロギは佃煮にした 腸チフス、赤痢、下痢の治療につかわれた

「日本人は昔からイナゴやゲンゴロウや蜂の子等は食べるのに、コオロギは食べない」「日本でコオロギを食べていなかったのは安全に問題があるからだ」というようなご意見があります。

日本でコオロギを食べてこなかったというのは間違いだと思いますので、書籍から日本で食べられてきたコオロギについての記載を拾ってみました。

食用昆虫として

砂糖醤油、蜂蜜醤油で煮て佃煮にして食べた。コオロギ味噌も作ったという。

コオロギ類

新潟県、福島県、長野県、山形県では、エンマコオロギ、ヒメコオロギ、ミツカドコオロギの幼虫、成虫を熱湯に入れて殺し、よく水を切って少量の塩をふり、焙烙鍋で炒りつけて食べた。 また砂糖醤油、蜂蜜醤油で煮て佃煮にした。長野県では太平洋戦争末期に疎開児童にコオロギを採らせて、それを乾燥して粉末とし、味噌汁に入れて栄養を補給したというし、またイナゴと同じようにしてコオロギ味噌も作ったという。コオロギ類はイナゴと違って雑食性で、野外で採取したものは、不潔なものも食べていると思われるので、食べる前に1日くらい絶食させて腸内のものを排出させるか、腸を取り除いてから調理することが望ましい。(p.72) 

昆虫食古今東西 三橋淳 著

薬用昆虫として

漢方として、腸チフス、赤痢、下痢の治療につかわれたとあります。

漢方の蟋蟀(しっしゅつ)とはコオロギの成虫のことで、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギなど数種を含む。コオロギ類の有効成分としてエンマコオロギからグリピリンと名づけられた解熱成分が見出されている。かつて日本では腸チフスのためにコオロギの絞り汁に酒を加えて飲んだり、赤痢、下痢の治療に黒焼きにして服用したりした。ブラジルのパンカラレ族はコオロギの脚をトーストしたものにお湯を注いで茶として、排尿困難のときに服用した。 (p.266) 

昆虫食古今東西 三橋淳 著

こちらの引用元の『昆虫食古今東西』はKindle版もあるようです。

ぜひ、一度お読みください。

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同じ著者の『昆虫食文化事典』にも薬用昆虫として、コオロギの記載があります。利尿作用があるとされています。

コオロギ類の成虫で、東京の市場で売られているものには台湾エンマコオロギ、タチナガコオロギ、ミツカドコオロギの3種が確認されている(稲垣、1984)。コオロギ類は膀胱括約筋を緊張させ、また輸尿管の痙攣を緩和させる作用を持つ。そのため利尿、特に老人の尿閉や水腫に用いられている。(p.209)

昆虫食文化事典 三橋淳 著
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