東京の墨田区の北部に「鳩の街通り商店街」という商店街があります。
「鳩の街通り商店街」でのハロウィンイベント「ハトウィン」(Hatoween)の今年のポスターの綴り(Hato win)が間違っているのではないかという話題です。
「鳩の街通り商店街」とは
大正の時代に都電(当時は市電)、押上経由の柳島車庫~須田町間(24系統)および、柳島車庫~月島間(23系統)が開通し、それが昭和になり本所吾妻橋で水戸街道に北へ分岐し向島須崎町~須田町間(30系統)が開通しました。
その終点の向島須崎町の都電停留所の場所だったところに、栄えたのが「鳩の街通り商店街」です。
商店街に隣接している歓楽街『鳩の街』は、いわゆる赤線地帯で、
の舞台になっています。
この地区は、東京大空襲で奇跡的に焼け残りました。
『鳩の街』は、戦後、近くの玉ノ井を焼け出された業者などが、焼け残った場所を買収して移転したのが始まりで、都電で秋葉原、上野、浅草から直通の場所ということで栄えましたが、1958年(昭和33年)4月1日の売春防止法施行までにすべての業者が廃業しました。
商店街は、昭和3年に「寺島商栄会」として設立、歓楽街『鳩の街』の名前を取って昭和30年代に「鳩の街商栄会」となり、1999年(平成11年)に現在の「鳩の街通り商店街振興組合」の名称になっています。
商店街が『鳩の街』の名前をパクったのです。
『鳩の街』は、パチンコ屋さん、映画館、銭湯「松の湯」、旅館、墨田区民新聞社などもあり活気のある街でした。
しかし都電が、東向島三丁目(東向島広小路)まで延伸、始発・終着の停留所ではなくなり、さらに1967年(昭和42年)に社会党・共産党推薦の美濃部 東京都知事が当選すると、一転して、美濃部 都知事は都電をどんどん廃止し、1969年(昭和44年)10月26日に都電(30系統)も廃止されてしまいました。
これでお客さんの流れがガラリと変わってしまいました。
1949年(昭和24年)の鳩の街
鳩の街 1949年 撮影 土門拳 pic.twitter.com/lx9zQAhXGR
— 娼家の手帖 (@shoukanotechou) February 24, 2015
ハトウィン / 鳩の街通り商店街
シャッターが閉まっているお店や普通の民家になってしまっている家などが目立つ「鳩の街通り商店街」ですが、10月31日のハロウィン(Halloween)にあわせて、ハトウィン(Hatoween)なる催し物を毎年開催しています。
2017年には、「ハトウィン / 鳩の街通り商店街 (@hatoween)」さんが、ハトウィンのお知らせをツイートされています。
遅くなりましたが、10/28の第4回ハトウィンのお知らせです!今年は、新しいお店のアジアン雑貨にちなんで「アジアン ハトウィン」で開催。アジアの民族衣装、ハロウィン仮装で鳩の街通り商店街へ遊びに来てくださうぃ! pic.twitter.com/ndHethZq3d
— ハトウィン / 鳩の街通り商店街 (@hatoween) October 15, 2017
ハトウィン / 鳩の街通り商店街さんのTwitterのIDは「@hatoween」です。
ハトウィンの綴り(Spelling)が違う?
2020年10月、このハトウィンの綴り(Spelling)が違う、というツイートを見かけました。
街中に貼ってあるポスターの綴りが間違っている(hatoween→hatowin)のだそうです。
今年も墨亭のある鳩の街商店街では「ハトウィン」なるイベントをやるらしいのだが、街中に貼ってあるポスターの綴りが間違っていて(hatoween→hatowin)、何だか気恥ずかしい。ちなみに墨亭は参加等しておりません。
— 瀧口雅仁 (@bonga460523) October 28, 2020
「墨亭(ぼくてい)」とは
「墨亭(ぼくてい)」というのは、「鳩の街通り商店街」の堤通り側の端にある、「ラモナー化粧品」の看板の残っている築60年超の古商店を改修して2019年5月にオープンした寄席です。
【速報】
墨亭で隔月開催の「金原亭馬太郎の会」。今回は大勢のお客様で馬太郎さんも大喜び。一席目は縁起の良い噺とされる泥棒物から『探偵うどん』を。 pic.twitter.com/jalLQHj4PS— オフィスぼんが (@officebonga1) October 28, 2020
堤通り側には、2016年5月より、東京スカイツリーから区内循環バスが走っていて、「鳩の街通り商店街入口」のバス停があります。
HATO WINの理由
話を戻しますが、2020年のハトウィンのポスターを確認すると、たしかにHatoweentが、HATO WINになっています。
誤植でしょうか?
ただ、hatowinではなくhato winとなっていることが気になります。
Twitterアカウントは@hatoween ですけど https://t.co/CqjWgJLnzY
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) October 29, 2020
はい、だからhatowinでは間違ってるよ~という意味です。ポスターがwinになっているのです。
— 瀧口雅仁 (@bonga460523) October 29, 2020
前の年のポスターを引き継いでないんですね
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) October 29, 2020
冷たい言い方ですが、知りません。こういうのは基本の基本ですので。
— 瀧口雅仁 (@bonga460523) October 29, 2020
2015年の第二回の時のポスターもHATOWEENになってるね。
ただ、今回はHATO WINとブランクも挿入されてる表記なのでひょっとすると何か意味があるのかも知れない。
— hiroimonこと竹中陽二(ジジイ) (@hiroimon) October 29, 2020
コロナに関係しているかもね。ハトではなくて鴨だけど
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) October 29, 2020
「今回はHATO WINとブランクも挿入されてる表記」になっているというご指摘がありました。
HATOとWINが別れていることが、やはり気になります。
何か意味があるのでしょうか?
「鳩の街通り商店街」の関係者と思われる人たちに、メールやTwitterでこの件について聞いて回りました。
縁起をかつぎwin
聞いて回っていたところ、ひとりの方が教えて下さいました。
今朝 #ハトウィン のポスターの綴りが間違っている?ということをTwitterのコメントで受けて気がついた。ハトウィンのウィンがweenではなくwinになってることに意味はあるのか。そもそも造語ではある。イベント大盛況の中昔からの運営の人に聞いた所、このご時世で縁起をかつぎwin(勝つ)にしたそうです pic.twitter.com/IpCsUm6drf
— 冨樫実和📷伝所鳩写真担当 (@togamiwa) October 31, 2020
やはり、新型コロナのご時世で、縁起をかつぎwin(勝つ)にしたとのことでした。
コロナに勝つで、hatoweenならぬhato win、しゃれていて、いいじゃないですか。
そもそも、ハトウィンじたいが造語です。
鳩の街通り商店街のHPを見ると、2020年11月2日現在、加盟店一覧の中に「墨亭」はありません。
「墨亭は(ハトウィンに)参加等しておりません」とのことですが、鳩の街通り商店街に加盟していないのでしょうか?
「新型コロナのご時世で、縁起をかつぎwin(勝つ)にした」ということをポスターに明記するなどしてもっとアピールしておけば話題にもなったかもしれませんし、このような誤解も広がらなかったのに、と少々、残念に思いました。